|
生前はあまり知られていなかったフランツ・カフカは、今日ドイツ文学界では、ローベルト・ムージル、トーマス・マンとともに20世紀ドイツ文学の三巨頭のひとりと目されている。40歳という若さで結核により亡くなったため、残した作品は多くはないし、未完のものが結構多い。しかし、並外れたイマジネーションによって人間の実存を描くその作品群は、余人の追随を許さぬ独創性において抜きん出ている。リアリズムでもファンタジーでもマジック・リアリズムでもない、現実のなかに夢を導入した特異な作風は、ひとたび読んだら忘れられない強烈な印象をもたらす。新潮社が1980年に刊行した決定版カフカ全集全12巻は、長短編の小説に加え、ノートや日記、さらに膨大な手紙を余すところなく収録している。各巻を収める函のデザイン(カフカの肖像とプラハの街並みの多重露光)や本体のライトグレーのクロス装が素敵だし(1992年版より1980年版がお勧め)、川村二郎、圓子修平、前田敬作、中野孝次、吉田仙太郎、城山良彦など翻訳陣も申し分がない。手放す人が少ないようで、古書店で目にすることは滅多にない。底本はクリティーク版が望ましいけれども、ブロート版でもカフカの鬼才ぶりはいささかも損なわれてはいない。それよりも翻訳で読む場合は、名訳か否かの方がはるかに重要である。
ご存じの方には多言ではございますが、その量と質からも、最高のカフカ全集でございます。大変入手困難でございます。 大事にコレクションしておりましたが、増えすぎたDVD・CD類の整理をしており、この度出品させて頂きました。格安にて出品させて頂きましたので、どなた様かお引取り頂き、お楽しみ頂ければ、誠に幸いです。 |
|
| *システム利用料・手数料などは一切頂いておりません。 *お決まりですがノークレーム・ノーリターンにてお願い致します。 *保管品ですので、神経質な方のご入札はご遠慮下さいますよう宜しくお願い致します。 |
|
| |